ZOIDS-Unite- 第4話「砂漠の攻防」 3
一度だけ、チラッと後ろを振り返る。
スヴェン、オスカー、スティーヴ。ちゃんと3人揃って自分を追いかけて来ている事にカイは思わず安堵した。
どうやらシーナを人質にしようとは思わなかったらしい。
まぁ、スヴェン達がシーナの姿を見たのは孤島の遺跡でブレードイーグルが起動する直前、あの遺跡の部屋が輝きだす前のほんの一瞬だ。
もしかしたらシーナの事はよく見えていなかったのかもしれない。
どちらにせよシーナに見向きもしないのならば、彼女に危害を加えられる事はなさそうだ。
カイは人にぶつからないように器用に市場街を走りながら、ウエストバッグから小型タブレットを取り出しザクリスへ連絡を入れた。
『カイ。どうした?』
すぐにタブレットからザクリスの声が聞こえる。
「ザクリス! スカーズの連中だ! 今追いかけられてる!!」
『はぁ?! 今何処だ?!』
「中央市場街!! 北口に向かって走ってる!!」
『マジかよ! 反対方向じゃねーか!! すぐ行くから捕まるんじゃねーぞ!!』
そう言って通話が切れる。
カイは走りながら思わず渋い顔をした。
「捕まるんじゃねーぞって……簡単に言うなよ」
人で溢れかえっていると言っても過言ではない市場街を、いつまでも逃げ回っているのは流石に無理がある。
おまけにこのまま走っていれば北口から外へ出るしかない。
人や物で溢れた市場街とは違い、外に出てしまえば遮蔽物は殆ど無いのだ……そんな見通しの良い場所へ出れば最後。スヴェン達は躊躇わずに銃を撃ってくるだろう。流石にそれだけは避けたい。
自分も一応武器ならあるが、遮蔽物の無い場所で三対一の銃撃戦などまっぴらごめんだ。
とはいえ、市場街は建物と建物の間が殆ど詰まっている為、とにかく路地が狭い。
裏道へ逃げるにも、そんな狭い路地へ飛び込んでしまえばそれこそ格好の的だ。
逃げ場が無い分、後ろから撃たれでもしたらと考えると不用意に飛び込む事も出来なかった。
「こうなりゃ上に逃げるか」
カイはウエストバッグからワイヤーリールを取り出すと、前方の酒場の看板めがけてワイヤーを放つ。
看板の根元にワイヤーのフックがロックされるのと同時に、ワイヤーの巻取りスイッチを押して彼は思いっきり地面を蹴った。
体が宙に浮いた瞬間、ワイヤーリールが猛スピードでワイヤーを巻き取り始める。
それによって宙へ浮いたカイは一直線に酒場の屋根へと引っ張り上げられた。
「逃がすか!」
スヴェンが拳銃を取り出して発砲する。
酒場の屋根の上に着地したカイのすぐ傍にある看板の端が、その弾丸によって抉られ破片を散らした。
その銃声と光景に、市場街の人々から悲鳴があがる。
カイは慌てて看板の裏に隠れ、思わずぼやいた。
「ったく、自分から憲兵呼ばれそうな事してりゃ世話ねぇや……」
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