ZOIDS-Unite- 第4話「砂漠の攻防」 2
本当なら銀行にシーナの預金口座を作って貯金させる方が安全だろうが、古代ゾイド人であるシーナは身分証など持っていない。
生年月日も、主に何年生まれか? の部分がかなり問題であるし、国籍も無い以上本人確認の辺りで躓いてしまうだろう。
そう言った意味でシーナの身の上はこの時代ではなかなか不便であった。
「あ。そろそろ休憩終わっちゃうね」
シーナはそう言って席を立ち、食べ終わった食器を流しへ運ぶ。
カイもハッと我に返って、慌てて食器を流しへ下げた。
「よし! じゃぁ午後の仕事も頑張るか!」
「どうしたの? なんだかさっきよりやる気満々だね」
「ちょっと買いたい物が出来たんだ。今日こそシーナに負けないからな」
「ふふふっ、いつから競争になったの?」
「たった今!」
「えー?!」
そんなやりとりをしながら、2人で店頭へ戻る。
店主はカイとシーナに気が付くと、「おう、後は任せたぞ」とにこやかに告げて、自分の休憩に入って行った。
カイは早速店の前に出て、春の穏やかな日差しを浴びながら景気よく声を張り上げる。
「らっしゃいらっしゃーい! 今日は新鮮な果物が安いよー!」
その顔は仕事用の営業スマイルではなく、どこか無邪気さの残る心からの笑顔を湛えていた。
財布をプレゼントしたらシーナはどんな顔をするだろうか? 喜んでくれるだろうか?……いや、まずどんな財布が良いだろうか? そういった事を考えるだけで自然と笑みが零れる。
その為だと思えば日雇いの仕事もいつも以上に気合が入った。
だが、こういう時に限って悪い事が起こるのが世の常である……
「あぁぁぁぁ!!!」
店からほんの数メートル離れた通りの真ん中で、1人の男が不意に大声を上げた。
何事だろう? と視線を向けたカイと、声を上げた男の目が合った瞬間、互いを見据えたまま両者の間に気まずい沈黙が一瞬奔る……
間違いない。声を上げた男はスカーレット・スカーズのスヴェンだ。
スヴェンは彼を真っ直ぐ指さして怒りの形相を露わに怒鳴った。
「クソガキてめぇ! こんなとこに居やがったのか!!」
「やっべぇ!!」
慌てて走り出すカイに、シーナが思わず叫ぶ。
「カイ!! お店どうするの~?!」
「後で店長に謝る!!!」
そう叫ぶと、カイは一目散に市場街を走り出した。
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