ZOIDS-Unite- 第4話「砂漠の攻防」 1
ったく、久しぶりにツラを見たと思ったら、古代ゾイド人に古代ゾイドにオーガノイド。
カイの奴、マジで面倒事に巻き込まれるスペシャリストだな。面倒臭ぇ……
……まぁ、そんな奴をほっとけずに面倒見ちまう俺も大概だが……
とにかくサンドコロニーに滞在してる間、何もなけりゃ良いんだがな。
[ザクリス]
[ZOIDS-Unite- 第4話:砂漠の攻防]
サンドコロニーに滞在し、あっという間に3日間が過ぎた。
その間、カイはシーナと共に市場での日雇いをこなして着々と必要な雑貨品を買い集めている。
既にこの時点でコッヘルセットとキャンプバーナー、タオル、歯ブラシ、爪切り、タブレットの充電ケーブルなどは揃える事が出来た。
正直コッヘルセットやキャンプバーナーはそこそこ良い値段がするのだが、あっさり買い揃える事が出来たのはシーナのお陰である。
美人で明るく人当たりの良いシーナは、接客に天性の才能があった。
そのお陰で最初に日雇いに雇われた食料品店の店主がシーナをあっという間に気に入り、滞在している間看板娘を頼みたいと言ってくれたのだ。
おまけに来店する客達もシーナにチップを弾んでくれる為、実の所、カイよりもシーナの方が稼ぎが良いくらいであった。
「ホント、可愛いって武器だよなぁ……」
滞在4日目の昼時。
店の奥で賄いに出されたひよこ豆と鶏肉のスープを口に運びながらカイが呟く。
接客は慣れてるからバッチリ教えてやるぜ! と啖呵を切ったというのに、これではまるで立つ瀬がない。
そんなカイに、シーナはパンを口に運びながら困ったように笑った。
「きっと皆、珍しがってるだけだよ。私の髪の色だってそうだし、それに服だって」
「お前は自分の美貌をもう少し自覚しても良いと思うけどな」
若干呆れたような口調でぼやきながら、カイもパンを口に運ぶ。
まぁ、シーナの魅力は美しさだけではなく、自分の美しさを鼻に掛けないその清楚さにもあるのは確かなのだが。
シーナは相変わらず困ったように笑ったまま、スープの具を口に運んでいる。
カイは軽い溜息を吐くと、残りのスープを飲み干した。
どちらにせよ、思っていた以上に稼ぎがある分楽が出来ているのは確かだ。
とはいえ、シーナは「私が持っていても仕方が無いから」と自分が稼いだ分の賃金をチップも含めて全てカイへ渡してくれている。
この3日の間に買い揃えたものは全て、カイとシーナの稼ぎの中からきっちり半分ずつ出して買ってあるが、流石にシーナが稼いだチップに関しては、受け取るだけ受け取ってはいるものの、手をつけないでいた。
……というか、手を付けられる訳がなかった。
これはシーナのポケットマネーであるべき金だ。
(無欲過ぎるってのも、なんだかなぁ……)
カイはそう思いながら、現在の自分の手持ちを思い浮かべる。
今日の分の給料も含めれば、シーナにそこそこ良い財布を買ってやれるだろう。
だからその財布に自分が預かっているシーナのチップを入れて渡せば、いくらなんでも「いらない」とは言わない筈だ。
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