ZOIDS-Unite- 第3話「荒野の二人組」 9
戦争の続く時代しか知らないシーナに平和な時代を満喫させたい。
目一杯甘やかしてやりたい。
そう思ってしまうのは、少々過保護過ぎるだろうか?
だが、こうして目を輝かせながら隣を歩くシーナを眺めているとそう思わずにはいられないのだ。
幼子のようにはしゃぐ彼女の無邪気さは、その手足に刻まれた無数の痛々しい傷跡をより際立たせるようで……放っておけない。
「アサヒぃ……いつまで服見てんだよ」
退屈そうなザクリスの声にハッと我に返ったカイは、危うく通り過ぎかけた2人の傍へ向かう。
アサヒは恥ずかしげも無くあれでもないこれでもないと、婦人服を手にとっては戻しを繰り返していた。
「何してんの?」
カイが訊ねると、アサヒは白いワンピースを手にしたまま振り返って苦笑した。
「いやぁ、服見繕ってやると言ったは良いが、シーナはあまり肌が見えん服の方が良いだろうと思ってな。決めかねちまってるところだ」
アサヒはそう言って手にしたワンピースを斜掛けに戻す。
恐らくアサヒもシーナの傷跡を気遣っているのだろう。
カイはうーん……と考え込むと、不意にウエストバッグから小型タブレットを取り出し操作し始めた。
「何してんだ?」
ザクリスが横からタブレットを覗き込む。
画面には、サンドコロニーの観光案内が表示されていた。
「アサヒ、最近この向こうに輸入服の店が出来たみたいなんだ。そっちも見て見ないか?」
カイはそう言ってタブレットの画面を見せる。
店舗案内の横に表示されている店内写真には、着物風の服が小さく写り込んでいた。
「お! 良いな!!」
アサヒはそう言って上機嫌に歩き出す。
その様子を見たカイとシーナは顔を見合わせて笑い合い、ユナイトは不思議そうに首を傾げ、ザクリスは呆れたような溜息を吐いた。
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