ZOIDS-Unite- 第6話「約束のお守り」 7
不思議そうに頷きながら、シーナは包みを開く。
中から出て来たのは、このサンドコロニーへやって来た際にカイが買ってやると約束してくれた、あの銀色の鷲のペンダントだった。
「約束したろ? 預金下ろせるようになったら買ってやるって」
「カイ……」
驚いた様子のシーナの隣に腰かけ、カイは彼女の手の中で煌くペンダントを眺めながら言った。
「このペンダントを買ってやるって、俺とお前が初めて約束した事だったよな」
「うん」
「だから、シーナとそのペンダントに誓って約束してやるよ。シーナのやりたい事に最後まで付き合うって。俺はずっとシーナの味方だって。まぁ、空を飛ぶしか能の無い俺なんかじゃ頼りになんねーかもしれねーけど」
そう言ってカイはチラッとシーナを見る。
彼女は目を潤ませながらペンダントを見つめていた。
「……私ね、ホントはずっと怖かった」
不意に、小さな声でシーナは呟いた。
「途切れた自分の記憶が矛盾だらけで……自分が一体何なのか怖くなって……カイも、ザクリスも、アサヒも、店長さんやコロニーの人達も優しくしてるのに、不安でたまらなくて……ふとした時に、なんだか……まるで独りぼっちみたいな気持ちになって……自分が一体何なのか知りたい。その為に記憶を取り戻そうって決めたけど……それでも、怖い気持ちはずっと変わらなかった」
「シーナ……」
「でも、カイが味方でいてくれるって言うなら、そう約束してくれるなら……私、もう怖がるのやめる」
シーナは両手でギュッとペンダントを包み込むように握り締め、カイを見上げる。
その顔は、笑顔だった。
「ありがとう。このペンダント、約束のお守りにするね」
「約束のお守り。か……」
カイはふと、自分の腰のホルスターに収まっている拳銃をチラッと見る。
約束のお守り……それはきっと自分のこの拳銃にも言えるのかもしれない。
兄貴分であり、師匠でもあるザクリスと交わした大切な約束の、その証なのだから……
「……そうだな。誰かと約束するって事は、約束する相手が必要だから……独りぼっちじゃないって証にもなるしな」
「独りぼっちじゃない証……」
「ああ。だから大切にしろよそれ」
「うん! 勿論!」
シーナは嬉しそうに頷くと、早速ペンダントを付ける。
彼女は胸の上で煌いた銀色の鷲を愛おしそうに一撫ですると、上着の中に大切そうにしまって立ち上がった。
「じゃぁ、私達も出発しよう。行き先なんてないけれど」
「おう。行き先なんか無くて上等だ。俺はそういう旅の方が得意だからな」
カイも立ち上がり荷物を担ぐ。
2人は揃って宿を後にした。
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