ZOIDS-Unite- 第6話「約束のお守り」 2
「まぁ湿っぽいのもなんだ。コレでも受け取って、サッサと出発させてくれ」
「なんだよ。コレ」
不思議そうに紙切れを受け取ったカイは、そっと折り目を開いて書かれた文面に目を通す。
特徴的なザクリスの細い走り書きで綴られていたのは、この1週間の宿代。食事代。用心棒代等々……だが、その横に書かれた数字は全て「0」だ。
「え? ザクリスこれ―」
思わず目を見開いて顔を上げたカイの頭を、ザクリスはニヤッと笑ったままくしゃくしゃと撫でた。
「おっと。ちゃーんときっちり領収切ってやったんだから抗議は聞かねぇぞ。じゃねぇと気が変わってとんでもねぇ金額吹っ掛けるかもしれないぜ??」
そう言って意地の悪い笑みを浮かべるザクリスを見上げた視界が滲む……
カイは思わず下を向いてギュッと目を閉じた。
「悪ぶって見せたって、お前らがっ……そういう事しねーのくらいわかってんだよっ。ばーか……」
閉じた目の端から溢れる涙を誤魔化すように憎まれ口を叩くカイを見つめ、彼らは困ったように笑い合う。
アサヒがカイの肩を励ますように優しく叩いて涙を拭いてやりながら口を開いた。
「カイ。どんなに背伸びをしたところでお前さんはまだ子供なんだ。だから困っとる時は頼ってくれて構わんよ。それに応えてやるのが、大人である俺らの役目だ。そうだろう?」
「うん……ありがとう……」
ぐすっと鼻をすすりながら顔を上げたカイに、ザクリスがふと真剣な顔で口を開いた。
「なぁ。カイ」
「何?」
残りの涙を拭きながらカイはザクリスを見上げる。
彼は穏やかな声で諭すように言った。
「誰かと一緒に旅をするってのは、簡単じゃねぇ。確かに一人の時と違って楽しい事や協力し合って乗り越えられる事だって増えるが、それだけじゃない。一人の時に簡単に出来てたような事が出来なくなっちまう。それは、お前もわかってるよな?」
「……ああ。わかってる」
真っ直ぐに自分を見つめ返して来る目の前の少年の、そのまだあどけなさの残る薄紫色の瞳を、切れ長の青い瞳が静かに見つめる……
彼はふと、カイの腰のホルスターに収まっている拳銃へ視線を移して問いかけた。
「俺がお前にその拳銃をやった時に言った事……覚えてるか?」
カイはその言葉に少しきょとんとした顔をして腰のホルスターをそっと見つめる。
家を飛び出したばかりの頃、初めてこの2人と出会った時の事をカイは今でもハッキリと覚えていた。
2人は色んな事を教えてくれた……その時、ザクリスが自分に銃の扱い方とこの拳銃をくれたのだ。
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